介護予防と機能維持<シャッキリ体操> 介護事業所の集団体操を楽しく安全に! トレーナー育成に力を入れています。

介護事業所の集団体操は、トレーナーの効果的な声掛けで意欲を高めることが大切です。  介護予防と機能維持のシャッキリ体操

デイサービスのファンを増やす集団体操

シャッキリ体操基本プログラム

シャッキリ体操

 集団指導で、準備からフォローまで60分程度で行うことができる基本的なメニューです。
 一連の体操を行うことで、それぞれの運動の相乗効果が期待できます。

 介護事業所では、基本的にはチェアエクササイズです。ふらつきのある方は、職員が介助して危険が無いようにしてください。

 普段はふらつきの少ない方でも、夢中になると椅子から落ちる場合があります。職員はすぐに駆けつけられる場所に待機して、様子を見守りましょう。

準 備セッティング

健康状態チェック

水分補給
約 10分
 1.ストレッチ

 2.脳トレ体操

 3.有酸素運動

 4.筋力運動

 5.整理体操
気功を取り入れた柔軟体操です

認知症予防にもなる指体操です

リズムに合わせて体を動かします

負荷をかけて筋肉を鍛えます

体の緊張を緩めクールダウンします
約 45分
フォローアロマの香りが漂う中で下肢マッサージ

水分補給
約 5分


成果の検証体力測定(歩行距離、バランス、歩行速度、握力、体前屈)
フリーウォーキング
毎日
月集計
年集計



準 備

~ 安全に、楽しく行うために、しっかり準備しましょう ~

 セッティング

  • 椅子を並べる(チェアエクササイズの場合)
    • 隣の人とぶつからない距離(椅子と椅子の間は60cm以上)
    • トレーナーと対面式に,横一列(人数が多い場合は二列以上)に配置
    • 耳の聞こえの悪い人、目が不自由な人、ふらつきのある人、片麻痺の人は、より目の届く前の方に配置する、補助の介護士がつく
    • 座り方の注意
      • 深めにしっかり座る
      • 足は肩幅
      • 足の裏全体が床につく椅子の高さ(足元に踏み台を置くのも可)
      • 車椅子から移乗する(車椅子は安定感がなく運動に適さない)

        セッティング

  • 音楽の用意
    • スローテンポのヒーリング音楽
      • ストレッチ
      • 最後のリラクゼーション
        ※戦場のメリークリスマス、リチャードクレーダーマンのピアノ曲や、自然音(川の音など)のヒーリングCDなども良いでしょう。
    • アップテンポのポップな音楽
      • 有酸素運動
      • 筋力運動
        ※365歩のマーチ、愛は勝つ、など、誰でも知っている元気な曲を選曲しましょう。
  • 服装・履物
    • 紐が垂れていない
    • 袖などがひらひらしていない
    • 伸縮性のある素材が好ましい
    • かかとのある運動に適した履物
    • アクセサリ―、名札は外す

※職員は、胸ポケットにペンを入れたままに介助すると危険です。

 健康状態チェック

 看護師がいる場合は、看護師による健康チェックを受け、シャッキリ体操参加の有無を決めます。参加しない場合も、近くに座って、同じ時間を共有することも大切です。

  • 脈 拍
  • 顔 色
  • 全体の様子
  • 水分補給

 やる気がない、参加する気分じゃない・・ということにも、わけがあるかもしれません。無理強いせず、様子を観察しましょう。本人でさえ自覚していない体の変調がある可能性もあります。

 トレーナーは笑顔で誘導してやる気を高めることが大事ですが、過剰にハイテンションになって高齢者を疲労させてしまう恐れもあります。焦らずに、時間をかけて体操の必要性をご納得いただきましょう。

バイタルチェック



1.ストレッチ

~ 気功を取り入れた柔軟体操です ~

 リラクゼーション

 一連の運動プログラムを始める前に、ゆったりとした音楽に合わせ、体の緊張をほぐしましょう。

  • 首を曲げて頭をゆっくり倒す(右、左、前、後ろ)
  • 首をゆっくり回す(右回り、左回り)
  • 肩を上げる、おろす
  • 肩を回す(前回り、後ろ回り)
  • 胸をそらす・背中を丸める
  • 両手をぶらぶらさせる
  • 足をぶらぶらささせる

 体の準備が整いました。

 ストレッチ

 体を伸ばすストレッチは、全身の柔軟性を高め、血液の循環を良くします。ゆっくり呼吸をしながら、体の隅々に酸素を送るつもりで大きく体を伸ばしましょう。

  • 両手を上に上げる・下ろす
  • 両手を前に上げたまま、上体を前に倒す(腰の筋肉を伸ばす)
  • 足を大きく開き、片方ずつ肩を前に倒す(肩の三角筋を伸ばす)
  • 膝を抱え、腿を引き付ける(お尻の筋肉を伸ばす)
  • 踵をつけて膝を伸ばし、上体を倒す(ハムストリングスを伸ばす)
  • 手指を一本ずつそらす(各指が体のどの部分に効くかを意識する)
  • 手を伸ばして手のひらをそらす(手首・前腕を伸ばす)

 気 功

 自律神経のバランスを整え、抗重力筋を鍛える「少林内勁一指禅気功」から、3分位の高齢者に無理のない動きを取り入れています。

 気功でいう、気の流れを良くするとは、血液循環を良くし陰陽のバランスを整えることです。正しい呼吸法と動きをマスターすれば、短時間でも指先までホカホカ暖まります。




2.脳トレ体操

~ 認知症予防が期待される指体操です ~

 指先の動きは、脳に刺激を与えます。一本一本の指をしっかり動かすように意識しましょう。
色々なバリエーションを用意して、飽きないように工夫が大切です。

 指折り体操

 軽く手をパーにして、一緒に声を出して数えましょう。声を出すことは、息を吐くことです。みんなで声を出せば、パワーアップになり、意欲が湧きます。

  • 1、2、3・・と数えながら指を折る。
  • 逆順から数える
  • 速さを変える


 グーパー体操

 腕を前に伸ばして、腕全体の筋力も高めます。グー、パーと、元気に声を出してやってみましょう。

  • 片方ずつ腕を前に出す。もう片方は手前に引く。
    • 出した方をグー、引いた方をパー
    • 出した方をパー、引いた方をグー

 脳トレじゃんけん

 今度は頭を使います。じゃんけんに勝つ場合と、負ける場合を変えて、即座に対応できるかどうか、認知機能の確認になります。自分の右手と左手の対戦です。

  • 右手がグー、(左が)勝つには?
    • 左は、パー
  • 右手がグー、(左が)負けるには?
    • 左は、チョキ
      ※認知症の方は、混乱してしまいます。しっかりと様子を確認しましょう。

 歌いながら指体操(うさぎとかめ)

 うさぎとかめのフシで歌いながら行う脳トレ指体操です。
慣れたら、次は少し速くやってみましょう。


  • うさぎとかめ ※Clickすると歌詞が表示されます。
    • もしもし かめよ かめさんよ
      せかいのうちで おまえほど
      あゆみの のろい ものはない
      どうして そんなに のろいのか

      なんと おっしゃる うさぎさん
      そんなら おまえと かけくらべ
      むこうの おやまの ふもとまで
      どちらが さきに かけつくか

      どんなに かめが いそいでも
      どうせ ばんまで かかるだろ
      ここらで ちょっと ひとねむり
      グーグーグーグー グーグーグー

      これは ねすぎた しくじった
      ピョンピョンピョンピョン
      ピョンピョンピョン
      あんまりおそい うさぎさん
      さっきのじまんは どうしたの


その他のバリエーション

  • 指・足体操
  • 表現体操(ポジティブランゲージ・記憶する)
  • ポーズ体操(かたちとしてのポーズを記憶する)
  • 音楽体操(ステップトレーニング)
  • うた体操(発声することにポイントをおく)

 歌いながら脳トレ体操(夕日)

 夕日(ぎんぎんぎらぎら夕日が沈む)の歌に合わせて、手と足の両方を動かすレベルの高い脳トレ体操です。
 手の動き、足の動き、リズムに合わせる、歌を歌うの複合的なトレーニングです。


3.有酸素運動

~ リズムに合わせて体を動かします ~

 フリフリステップ

 リズムに合わせて体を動かします。全身に酸素を送り、心臓や肺の機能を高めます。ひねる動きで腰回りの脂肪も燃やしましょう。
椅子に座ってできる有酸素運動です。

  • ステップ(座ったまま足踏み、腕も振る)
  • 体をひねる(足と腕を反対側に)
  • ステップ
  • 体をひねる(「フリフリ」と声を掛ける)
  • ステップ
  • 体をひねる(アドリブで声掛けの内容を変える)
  • ステップ
  • 腕の上げ下ろし、深呼吸で終了

※3分程度のアップテンポの音楽に合わせて、ステップ(足踏み)と、フリフリ(腰をひねる)を交互に繰り返します。

 アップダウン(立位ができる人)

昇降台を使って、リズミカルに上がったり下りたりを繰り返します。



4.筋力運動

~ 負荷をかけて筋肉を鍛えます ~

 生きるための様々な動きは、すべて筋肉の働きによります。筋力を鍛え、いつまでも元気に暮らすことを目指しましょう。

 動的筋力トレーニング

  • 上肢の運動

     上体の筋力運動です。足は軽く肩の幅に開きましょう。右手にダンベルを持ちます。声を出して数えます。声を出すことは息を吐くことなので、筋肉を傷めにくくなります。

    • 肘の曲げ伸ばし 左右、10カウント×2セット
    • 肩の曲げ伸ばし 左右、10カウント×2セット
    • 背中・胸を開く 左右、10カウント×2セット
    • 速筋のトレーニング 左右、10カウント×2セット
      ダンベルを持った腕を素早く前に突き出す
    • チェアーランニング 左右、10カウント×2セット
  • 下肢の運動

     下体の筋力運動です。ダンベルを腿の上に置き、手で軽く押さえます。転倒予防になります。

    • 足首を曲げる 左右、10カウント×2セット
    • 腿を開く・閉じる 左右、10カウント×2セット
    • マッサージ 玄米ダンベルで軽く叩く
    • 腿を上げて伸ばす 上げて⇒伸ばして⇒曲げて⇒トンを、右左5セット
      大腰筋を鍛える運動(歩行時に足を前に出す筋肉)

 静的筋力トレーニング

  • 体幹運動

     体幹のトレーニングです。ダンベルは使いません。上体を前に傾けながら、ゆっくり椅子から立ち上がりましょう。椅子の後ろに移動し、椅子の背もたれを持ってふらつかないようにします。姿勢を保持する静的トレーニングは、持久力、維持力を鍛えます。

    • 片足を上げる 左右、20秒×3セット
      ※ダンベルは、300~400g程度の玄米ダンベルが好ましい。(ミネラル分が皮膚からも浸透)

      玄米ダンベル

その他、バランスボールやハンドグリップ、手ぬぐいなどを使っても筋力トレーニングができます。その人の筋力に合わせて、身近なものを使ってやってみましょう。

 歩行運動 リズムウォーキング

 軽快な音楽に合わせて、元気に歩きましょう。基本のステップに、動きを組み合わせます。

  • 腕を横に開く⇒上にあげる⇒前に出す
  • 腿をあげる(あげた腿に両手を添える⇒腿をおろしたとき、腕を開く)
  • 横歩き(両腕を開く・両腕を閉じる)
  • 大股歩き
  • クロスステップ
  • ツーステップ


 音楽に合わせて歩行訓練をすることは、ふらつき減少に役立ちます。私たちは生活の中で、五感をフルに使っています。そうして、絶妙なバランスを取っているのです。リズムに合わせることは、耳を使うことです。歩行訓練をするうちに、だんだんステップが音に合ってきて(同調)、ふらつきが少なくなります。

20140509  20140509



5.整理体操

~ 体の緊張を緩めクールダウンします ~

 お疲れ様でした。最後は、ゆっくりと体を伸ばし、リラックスしましょう。軽く足を開きます。体をまっすぐにして、大きく息を吸ったり吐いたりしながら、体の隅々をほぐします。

  • 腕の上げ下げ
  • 首を回す
  • 肩の上げ下げ
  • 肩の回旋
  • 背中を伸ばす
  • 腰をひねる
  • 足をぶらぶら揺らす
  • 足をさする、マッサージ
  • 腕の上げ下げ

     ストレッチは、指先まで意識して美しく伸ばすイメージで。呼吸も大切です。ゆっくりと体を動かし、大きく息を吸います。最後は、綺麗に、笑顔で、決めポーズ!


フォロー

~ トレーナーと参加者のスキンシップタイム ~

 アロマの香りが漂う中で下肢マッサージ

 トレーナー自らの手でマッサージすることが大切。肌に触れることで、より状態を把握できます。参加者の目をしっかり見ることで、信頼関係が生まれます。

アロマの香りでリラックス

※匂いは、認知機能にも強く影響すると言われています。臭覚は記憶の中でも奥深くにとどまり、匂いをきっかけに記憶が呼び覚まされることもあります。

 健康チェックと水分補給

  • 脈 拍(80/1分以上は、要注意。正常値は60~70)
  • 顔 色
  • 全体の様子
  • 水分補給(薄めのスポーツドリンクなど)

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